真の自己を生きる

真の自己に基づいた生き方を提案します。

“真の自己を求めて”と題する文書で、自分の本質は自他の区別の無い無限で純粋な愛であること、この世は自分が自己の本質を体験的に知る機会として創造した自他の2元対立する世界であることを述べました。
これ等は、私が長年のSpiritualな探求によって確信した事実です。この点に関しては、一切の疑念の余地がありません。
しかしそのような経験の無い人にとっては、理解できないことでしょう。これまで多くの人たちが自分の本質を知ろうとして、色々な方法で探究しましたが、その体験する事実は、どれも私と同じ結論を示唆しています。
ですから、今は疑わずに、これらの事実に基づいた生き方を日々の生活に取り入れることを考えてください。そうすれば、人生がより楽しいものに感じられるでしょう。

自分と他人の関係
私達の本質は、肉体に囚われずに無限に広がる純粋で全能な意識なのです。その意識が自分を体験的に知るために、自他の区別のある２元対立する世界を生みました。他人が居なければ、自分を体験することはできないからです。この世界で、自己の肉体を意識すること、すなわち自我を意識して行動することは、生きるために必要なことです。
しかし自我意識が過剰になり利己的になると、周りの人たちを苦しめることになります。それは巡り巡って自分を苦しめます。
そこで、この様な人生の決定的な時は、「今、愛なら（神なら）どうするだろう」と考えて自分を振り返って見ることを勧めます。
実は、あなたの前にいる人はあなた自身なのです。正確に言えば、自分を含めて、この世界の全ては自分なのです。肉体に意識が囚われているので、信じられないと思いますがこれが事実です。徹底した禅修行をすれば体験的に知ることが出来ます。しかし今は、ただ信じてください。
この世界の全ては、家族も、友達も、他人も森や海も皆自分です。だから、他人に与えた喜びは、あなたの喜びとして感じられるのです。同じように、他人に与えた苦しみは後に、あなたの苦しみとなって感じられるのです。この点をよく考えてみてください。そうすれば、自ずと人生での処し方が分かります。
利己主義を捨て、周りの人達を愛し、その人たちを援助すること（Love All, Serve All）が理想の生き方なのです。

不安や恐れ、 
この世界では、自分と他人を区別することにより、不安や恐れが生まれ、自己防衛のために他者を攻撃し、自己中心的になることが多々あります。
本当は全ては自分だから、恐れることなど一つも無いのですが、周囲の環境に引きずられて、本来の自己を見失ってしまうのです。これが、不安を感じる根本原因です。
ネットには情報が氾濫しています。それらの情報と自分を比較することにより、不安が生まれてきます。親の老後介護の不安、子供の学習についての不安、他者からの批判による不安等々、次から次へとやって来ます。これは自分の完全さを忘れたことにより起きるのです。あなたは元々完全な存在で、現在も変わりありません。他と比較して振り回されることなく、自分を見つめて自信を持ってください。自分は完全であることに気が付いてください。
不安や恐怖は似たエネルギー（対象）を引き寄せ、物質的な場を生みます。その一つが病気と言う物質的な形を作ります。一方、対極の愛に根ざした思考は、もう一つの場を生みます。健康で幸せな世界を創造します。
具体的には、こうありたいと思う自分を考え、意識的に毎日それにふさわしい考えと言葉と行動に心掛ければ、自然に事態は好転します。自分にとって好ましくないことに関心を向けてはなりません。それはその対象を現実化するからです。
自分は小さくつまらない存在だと感じると、劣等感から批判や憎しみ、嫉妬や恐れを生みます。これは事実ではありません。事実は、あなたは完全で、無限の愛の化身なのです。ただ皆を心から愛し、感謝して行動すればよいのです。
坐禅などSpiritualな探求を通して真の自己に気づくことが最も望ましいのですが、そこまで待てません。取り敢えず私の言葉を信じてください。
自分を見失っている人たちを見たら、批判して避けたりせず、何故そのように振舞うようになったかを深く考えてください。きっと、その人は生い立ちや環境の犠牲者なのです。相手の立場になって助けてやってください。
犯罪者は本来の自己を見失って、人生を恐れ、苦しみに振り回された犠牲者です。恐れが無ければ、彼らは罪を犯しませんでした。
また大きな立場から見れば、全ての出来事は、私たちが本当の自己に目覚めて、行動する機会として生まれたと考えられます。

困難に遭遇したら、
今生は、本来の自分を体験するために、生まれる前に計画された世界です。この世界では、自分の自由意思に基づく思考、言葉、行動による因縁が結果となって展開します。戦争で難民として苦しい生活をするのも、事業で大成功するのも、戦争の当事者になるのも、全てが自己の本質を体験し成長するために招いた結果です。この事実は、コロンビア大学やシャーロッツ大学を始めとする米国の有名な大学や病院で、臨死体験者や退行催眠の被験者の話を厳密に検証することにより得られた結論です。私には、そのような体験はありませんが、坐禅の体験を通して真実だと確信しています。
あなたがこのような災難や困難に遭遇したとき、「自分は今何を体験したいのだろう。愛なら（神なら）どのように対応するだろう」と自問してみることを勧めます。全ての出来事は、あなたが何者であるかを決め、本当の自分になる為の自己創造の機会なのです。
この現象界は自分の脚本に従って演じられる芝居のようなものです。自分を含め全ての役者は劇を進める為に全力で演技をします。敵を演じたり味方を演じたりして、各自がやるべきことをやります。そこに、自我が存在する余地はありません。比較することも、善悪も貴賤もありません。皆が自分の役を完璧に演じているだけです。
繰り返しますが、現在の困難な状況は魂の世界（死後の世界、誕生前の世界）で自分が計画した課題の一つです。この課題をクリヤして自分の魂が成長するためのものです。だから、この機会を逃げずに正面から引き受け困難を乗り越えるのです。その過程で生ずる色々な感情を体験することにより魂は成長します。
困難な状況を自殺により避けようとしても、魂の世界で自己を振り返った際に、目的を果たさなかったと気が付きます。そして再度、同様な課題を設定して生まれてくる道を選ぶことになります。これで終わりなどという事はあり得ません。
試練は来るときに来ます。それは計画に従い、または縁に従って起きるべきして起きているのです。この機会を学びの機会と受け止めて最善を尽くすことにより私たちは成長します。

人生の荷物、
自宅、車、学歴、財産、地位、人々の評価、名誉等、常に他人と比べて優位に立とうと無理している人がいます。その為に、周囲と軋轢や嫉妬を生んだり、金銭をいたずらに浪費してしまいます。これはあたかも色々な荷物を背負い込んで人生を歩んでいるようなものです。長い人生を歩むには、荷物は軽い方が良いに決まっていますが、当事者になると気が付きません。
現在の状況は、自分が生前に計画したことに従って、必要な物は全て与えられています。また状況は完璧で、成るべくしてなっています。しかし本来の自分を見失って、混乱しているから気が付かないのです。ここで無理をして他人より優位に立とうと利己的な作為を巡らせば、一時的に成功しても、自己の成長にとっては回り道をしたことになります。また本来自他の区別の無い立場から見れば、無意味な行為です。人生の全ての局面で、自己を忘じて、状況に応じた最適な行動が望ましいのです。何故なら全てが自分だからです。

弱者、
人間は生まれるときに、全ての記憶を消して来るので、当事者は理解できないでしょうが、弱者もまた、生まれる前に弱者であることを選んだ魂の今生での姿です。
この試練の多い困難な人生を選ぶことにより、本来の自己のもつ特性（愛）を実践し、成長しようとして今生に現れたのです。その意味では、高い挑戦目標を掲げて生まれてきた魂と言えるでしょう。
その周囲にいる私たちも、それを見て、感じて、対応することにより、本来の自分の特性を体験しているのです。私たちにとっても貴重な機会です。それを無駄にしないよう、私たちは、愛と共感と気遣いを持って対応しなければなりません。この様に世界では、全てが有機的につながって、お互いの為にやるべきことをやっているのです。

親子関係
あなたの子供達は、あなたと同様に自己の本質を体験するためにこの世に生まれてきたのです。ですからあなたの仕事は、彼らを自立させ、出来るだけ早く完全にあなた無しで暮らせるように教える事です。
さもないと、あなたに執着しなければ生きていけないと信じ始めます。これでは、生まれて来た目的に反して、自分を自由に体験することが出来ません。あなたの愛によって、愛する者を世界に押し出してください。そして彼らが自分自身を充分体験できるようにしてください。それが本当の愛です。
判断に迷ったときには、あなたの助けや結果が、彼らを成長させることが出来るか、能力が高まるか、冷静に考えて決断してください。

現状に満足し、感謝する
この瞬間は、全てが完全で成るようになっています。自分の想いや行動の結果が忠実に反映しています。それを感じて、現状に満足して、感謝して楽しく生きてください。
常に他人より良いものを持ちたい等と思ってはなりません。あなたは完全で必要な物をすべて持っていることに気が付いて下さい。さもないと常に飢餓状態に生きる事になります。これは本当の自分を忘れて、欲望に振り回されているから起きるのです。
今はそれが事実だと感じられないかもしれません。しかし、今生の人生が終わる頃にははっきりと知ることが出来るでしょう。だから、今はただ信じて、この瞬間、瞬間に感謝を持って愛に生きてください。そうすれば、自ずと楽しい人生を過ごすことが出来ます。幸不幸は無色透明なバイアスの無い宇宙に投影された自分の想いの結果なのです。

思考―言葉―行動を意識する
思考―言葉―行動が物理的な世界を生みます。あなたが、自分の本質が純粋な愛であることを思い出し、意識的に、それにふさわしい考えと言葉と行動をすれば、幸せな人生が創造されます。
また、不安に根ざした否定的な思考や、言葉にして行動している時には、激しい創造のエネルギーが働いています。こうした否定的な思考は、否定的な物理的世界を創造します。決して否定的に物事を考えてはなりません。

まとめ、
現象界で体験する楽しい事も、悲しい事も、楽なことも、苦しい事も、自分のために起きているのです。そこでは、批判や恐れを抱かず、心の中で、自分は安全で、無条件に愛され、受け入れられていると信じて行動すればよいのです。事実あなたも私たちも大いなる意識、すなわち大いなる愛の化身です。自己を忘じて、今に向き合い、することをすればよいのです。困難に直面している時も、自分への信頼を失わず、不安や悲しみや恐れと言う感情を抑えようとせず、過ぎ去るまで相手にしないでいればよいのです。そして自分の全て、つまりエゴも知性も身体も心も全てが素晴らしい事を知って欲しいのです。苦しみは、この事実を忘れて、自信を失い劣等感に振り回される事により引き起こされます。
あなたはこの宇宙の創造における美しい産物なのです。あなたの周りにいる人たちも同様です。彼らは完璧で、あなた自身も完璧なのです。